辰砂・硃砂 Ｎｏ．１０５９

◆２０１１年１０月１３日、。　　　辰砂・硃砂

東洋蘭風来記ＢＢＳに「硃砂素」（しゅさそ）の話が出たので、語源となった原石画像を掲載、。
「硃砂素」に関しては風来記ページ過去スレＮｏ．１９２「東洋蘭風来記・３」（２００８年７月４日）に書きました、。これらの用語は「一茎九華」の世界で作られた用語です、。

「硃砂」「朱砂」「辰砂」いずれも同意語、。中国「辰州」（現在の湖南省）で採取されることが多かったので「辰砂」（しんしゃ）と呼ばれ、紅色顔料や漢方薬の原料に利用されたのですが、この赤い部分は「硫化水銀」で、この原石から「水銀」が作られます、。
原石を粉末にし、５００～６００℃程度に熱すると「水銀蒸気」と「亜硫酸ガス」が出て、これを冷やして「水銀」を作るそうです、。子供の頃の体温計はよく割れて、水銀の粒が出て来るのを指で押さえて遊んだものです、。高校生の時の運動部員はサポーターから感染してインキンタムシになった時に水銀軟膏を自分で塗って治したものですが、この水銀軟膏を１０円玉に塗ると１０円玉が銀貨になるのが楽しくて塗り塗りしたりもしました、。猛毒とも知らず、｡･ﾟ･(｡つ∀≦｡)･ﾟ･｡

１２００年以上前、弘法大師空海さんは中国へ仏教の修行に行く時、２０年間の留学費用を水銀を作ることで捻出しました、。私費留学でした、。水銀を蒸し焼きにすると真っ白な粉末になり、これが平安京の御女中が好んで用いた「おしろい（白粉）」で、水で溶いて顔に塗ったそうです、。顔に塗ると水銀中毒で皮膚は暗い色になる、それを隠すためにまた塗る、。需要は多く、よく売れた模様です、＾＾、。
空海は地下の水脈や鉱脈を探し当てるダウンジングを会得していたようです、。四国は昔から水不足の深刻な土地柄だったので、空海が最も忙しく依頼があった仕事は「雨乞い」の祈祷だったといいますから、ダウンジングはここでも力を発揮したのでしょう、。四国８８か所の霊場の地下には水銀鉱脈があると言われています、。
日本では地下の鉱脈を探し当てないと採れない「辰砂」も、中国では地表に出ていたらしく、古くから印肉などに利用されたのです、。不老不死を願った秦の始皇帝も辰砂から作られた丹薬を飲み続け、遂には水銀中毒で死亡したと言われます、。

東洋蘭の世界では、この原石の「朱砂色」であることを花色や舌の色を表現するのに当て嵌めて用いただけです、。

植木鉢の釉薬に「辰砂釉」と呼ぶ釉薬鉢がありますが、これの釉薬原料は「銅、」であって、「辰砂原石」とは無関係です、。普通は明るい紅桃色ですが、窯の中の焼成温度によっては「明るい青色」や「辰砂のような紅色」も発色するので、そう呼んだのかも知れません、。ともかく「辰砂原石」は辰砂釉の釉薬原料ではありません、。（すみません、辰砂釉の色に関して何を考えてたのか誤解を招くような書き方をしてました、訂正しときます、。）



画像の「辰砂原石」は、新企画出版局「自然と野生ラン」増刊「ミネラ」より入手、。
最近は「原石や隕石コレクター」は世界的に多く、とても東洋蘭趣味家の数の及ぶところではありません、。

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本井凡夫さんという後ろ盾を失って、ここ数日のエビアンは、ちと心細いのだ、。
普段から頻繁に連絡を取り合ってた訳じゃない、年に１～２度の連絡しかしてなかったのに、、もう居ない、て現実が心細いね、。