◆日本春蘭「寿紅」,、。 No.152

◆２００７年１１月１２日、。日本春蘭・紅花素舌「寿紅」、。
これも昨日と同じ頃、昭和５０年代の中頃、第一次日本春蘭紅花ブームの時の品種で、この辺りから日本春蘭界に魑魅魍魎が登場し始めた、てお話だ、。正確な日時は日記を読み返せば判明するけれど、話の内容が楽しいんであって、日時などその必要はないだろ思う、。
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日本春蘭界に急に「世紀の光」ていう紅花が登場した、。茨城県取手市の人から出たものだた、。これを千葉県の増田儀一氏（故人）が買い入れ、真っ赤に咲かせたものを、昨日の話に登場した金沢の堀の爺さんが買った、。９本立ちで６３０万円て高値だたので当時話題になったものだた、。堀さんが買う直前に福井の栗塚さん（実在）が６００万円で交渉したが買えず、直後にわずか３０万円の違いで堀さんに売ったてんで栗塚さんは怒ったものだた、。後から思えば、増田さんも栗塚さんに売ったのでは何かの場合に引き取らされるが、堀さんなら逃げられる、と踏んだのだろう、。商人の格の違いの問題なんだ、こういうのは、。
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堀さんは、６３０万円で買ったその「世紀の光」を全国日本春蘭連合会の展示大会へ参考品として出品したのだが、日本のプロ中のプロの集まりの会である、たちまち「あれは、極紅だ、」と噂されたので、自信をなくした堀さんは出品を取りやめて、蘭を持って大阪へ回りエビアン宅へ寄った、。
この花を見た時は驚いたね、当時真っ赤な箱のラークて煙草を喫っていたのだが、思わずポケットからラークの箱を出して「世紀の光」の花の横に持って行き、赤さを比べたほど赤かった、。１本８０万とかで置くがどうか、と言われたが買えず、仕方なく堀さんは持ち帰った、。
当時１本３万円だた「極紅」と同じだなんて頭の隅を過ぎりもしない程にボッテリと赤かった、。
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「世紀の光」の赤さを忘れられないエビアンの目に、当時、日の出の勢いだった寿楽園のカタログが目に留まり、寿楽園に電話して渋谷さんて番頭から「世紀の光」小木４枚葉１本４０万円てのを買った、。
１年後、エビアンの「世紀の光」も２本立ちになった時、突然寿楽園の社長（現会長）が来宅し「去年買ってもらった世紀の光は、どうも極紅と同じだと言う噂があるので、ちょうど千葉の増田儀一さんから”寿紅”の株立ちが安く手に入ったので、よければ少し足してもらえれば”寿紅の１本”と交換するが、どうか、」て話だた、。
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こういう話には乗るのが昔からエビアンてもんである、。二人で蘭室へ行き、当時まだ高かった「軍旗」の上柄４～５本立ち３鉢と現金１０万円とに「世紀の光」とで、当時１本７０万円と言われた「寿紅」の上木の新木素１本とを組んだ（交換した）、。
以後スクスクと作上がりした「寿紅」は２～３作の後には花芽を着け全国でもまだ珍しかった「寿紅」の花が咲いた、。
初花が咲くと花の終わる前に花を取って花弁を一枚ずつむしり取るクセがある、この時ばかりはこのクセが味方した、。「寿紅」は桃腮素なのを発見した、。まだ全国の皆なは知らない事だからエビアンはそこから寿紅を株分けして売り、とりあえず償却だけし終えた、。だがその後も「寿紅」人気は衰える事無く続いたものだた、。
画像の「寿紅」がその時の株である、。
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さて、堀さんの６３０万円の「世紀の光」はどうなったか、てと、堀さんも噂には勝てず誰も買ってくれないので、千葉の増田さんに引き取ってもらうべく返しに行ったのだが、「一度出した蘭は引き取らない、」と断られ、堀さんは「自分では売れないので増田さんに預けるから希望者に売って欲しい、」と言って預けたのだたが、ついに全額損になったそだ、。
後年、「世紀の光」は「猩猩」と共に「極紅」の山兄弟、または同一品てことで春蘭界では落着した、。
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もう午前２時半だ、。２日連続の長編になったが、エビアンの「春蘭・日本昔話」は、まだあるぞ、。