楽焼鉢「五柳落款」のいろいろ No.456

◆２００８年１２月１８日、。　　　楽焼鉢「五柳落款」

「五柳」の落款と呼ばれるマーク、。
鉢縁の（鉢の）内側へ加茂黒釉薬が落ち込み、縁から全体の高さ（深さ）の２割くらい内側で釉薬の切れ目、陶土との境目があるが、この境目の真上・チョッと上側・チョッと下側のどこかに「五柳」の落款とされる「白い丸印」と、白丸を挟むように「赤色か青緑色の点（ポッチ）」が描き込まれているものが多い、。（多い、と書いたのは、どう見ても五柳絵付けなのに、このマークの描かれてない鉢も存在するから、）、。

マークは、「白丸」だけの場合もあるし、「白丸の両側に紅点」、「白丸２つに紅点」、「白丸に紅点と青点」などなど一定しない、。「白丸」もキッチリと丸い場合とアルファベットのCのように見える場合とがある、。これらは皆な「五柳落款」とされている、。

昨日のスレッド４５５で、「五柳と名乗った一人または一群の人」と書いたのは、この落款の多さがあるからなのだけど、有名な鉢作家「平安東福寺・水野喜三郎」も実に多種類の落款を使ったので、必ずしも「五柳」は複数人居たということには」ならない、。一応、今後の資料の出方によっては変更も可能にしておくことにした、。

更に、昨日スレッドで、解読不能とした漢字の大体が判別したので書くと・・・風来記常連さんの書道の大家にお聞きしたら、･･･、「五柳寿◎」の◎は「運、」であろう、ということだった、。このことは常連さん”しんちゃん”からも指摘を受けた、。しんちゃんも毎日漢字を読む仕事なので、答えは同じだった、。お二人に感謝!!,、。（寿運はおめでたいこと、というような意味、）、。

その「五柳寿運」の肩書きの漢字は・・・左の万年青界の分は「芳古園主、」で、右の東洋蘭界にある方は「芳虎斎、」だった、。（エビアンは”家”と読み間違えて書いてしまってます、）、。
「五柳」が一人の人物ではなかった可能性があるとすれば、「一定しない落款」と「それぞれ異なる肩書き、」とが、何かを示しているのかも知れない、。考え過ぎかも知れないけど、。

また、昨日スレで、「五柳寿運」の左側に押された「２つの印」は、それぞれ、上の方は「五」で、下の印は「柳」（左は”木”が上部に書いてある、）と教えて頂いた、。万年青界でも、この２つの印の下側のは読めてないようなので、「柳、」と判明したことは誠に目出度い!!!,、。「きへん」の木を上部に書き、その下に「きへんの無い柳」だった訳だ、。
まさしく「五柳」説の根拠となってくれる印だった、。ここでも、書道の大家Y先生に感謝!!!,、。

残念ながらまだ、「五竜」の方の根拠となるような資料は不明のままです、。引き続きよろしくお願いします、。

「五柳」が一人なら、「芳古園」などと名乗っただろうか？「芳虎斎」て何なのだろうか？
「芳古園」という暖簾を構えていたのなら、短冊屋専属の絵師、という説は、果たして正しいのだろうか？、と、新たな疑問も浮かぶんだよなぁ～、。

画像に掲載の落款の内、下段左端のは白丸だけに見えますが、両側に紅点があったものが落ちてしまっています、（痕跡は残ってます）、。同じく、上段中央のは白丸の右にだけ青点に見えますが、これも左側の紅点が落ちて薄くなっています、。

◆毎日のようにどこかから蘭が届いたり出て行ったりするので、植え込みもやっている、。日本春蘭とダダコウには、やっぱ「軽米土・カヌマ」が美味しそうでいいなぁ～、。明日は中国ダダコウのチャボガシ葉が届く、。今日はとんでもないダダコウが届いて驚いたよ、＾＾、。

「ごりゅう」鉢について調べる、なんていっても、それぞれ非常に貴重品で高価なものなので実物を見比べる機会もほとんど無い、。昨日掲載の万年青界と東洋蘭界とに１個ずつ存在する鉢の画像を入手できただけでも幸運だった、。それらは、各３５０万円以上もする高価品で、普段はコレクターの蔵の奥にしまい込まれているような鉢なのだから、。